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連載東北からの便り

10年目をきくラジオ モノノーク

第8回
2020年12月26日

話題
オープニングトーク/世界の今日/こどもだったわたしは/10年目の手記(特別編)/エンディングトーク

オープニングトーク

12月26日、「10年目をきくラジオ モノノーク」の第8回が放送されました。
年内最後となる放送。パーソナリティは瀬尾夏美と桃生和成。
東北リサーチとアートセンター(TRAC)からお届けします。

桃生は仙台空港でしばらく仕事をしていたそうで、仕事の合間にカップルの別れや家族との再会など、人の出会いと別れのドラマを見ることができて、お客さんの気分のようで楽しんでいたそうです、たまに気晴らしに空港いくのがいいんではないですか? とのこと。

瀬尾は、小森はるかとともに参加する『聴くー共鳴する世界』という展覧会が11月からアーツ前橋ではじまり、その制作と搬入に追われていたそうです。前橋の飲食店がとても美味しかったそうなので、展示と合わせて、ぜひ訪れてください。

世界の今日

本日は音楽家、アーティストの恩田晃(おんだあき)さんと、写真家のマキカオルさんにお話を伺いました。おふたりは今年の夏までニューヨークに暮らしていて、今は茨城県水戸市に住んでいらっしゃいます。瀬尾とは同じ『聴くー共鳴する世界』にアーティストとして参加しているそうで、そこで出会ったとのこと。

世界中を転々と、居住する場所を変えていたおふたりにとってはこのコロナ禍でそれまで生活の大半を占めていた旅をすることが制限されたものの、むしろそれで生活への負荷が下がり、かえって楽になったそう。これだけオンラインが発達していることで、意識的な部分では世界各地の人と繋がれていて、日本にいるという実感はあまりない、旅の延長のような気がする、とおっしゃっていたのが印象的でした。


恩田晃さんとマキカオルさんとオンライン中継

こどもだったわたしは

瀬尾が東日本大震災当時小学生だった方に話を聞き、それをテキストにする「こどもだったわたしは」。この日は海から6キロ離れたマンションで被災した方の話を取り上げました。朗読は劇団 短距離男道ミサイルの本田椋さん。本田さんの訥々とした真面目な語りに、思わずスタジオでは笑い声が起こる場面も。自分自身も被災の体験をしているけれども、自分よりもっと大変な被害を受けた人もたくさんいる、というとても微妙な距離で震災と接していた彼の体験やゆらぎが声に乗ってあらわれていました。


瀬尾夏美《ぼくは海と手を繋ぐ》2020年

「ぼくは海と手を繋ぐ」(作:瀬尾夏美、朗読:本田涼)の音声、テキスト、ドローイング、執筆後記は「こどもだったわたしは」のページからご覧いただけます。

10年目の手記(特別編)

1月22日に締切を迎える「10年目の手記」について、ここまでの手記の経過、そこから発見したことなどを、選考委員の高森順子さん、朗読の演出を手掛け、このラジオの構成なども手がける中村大地を迎えて語りました。

「手記は地味ながら足腰の強いメディア。手記を書いた方々とは対面で会えたわけではないけれど、単なる被災者ではなく、表現者として接することができる、そういう場をもつことができている気がする」と語った高森さんは、複数の手記をすでに投稿してくださっている海仙人さんの手記を印象に残ったものとして取り上げました。

「自分自身の思い出を語っているような感じで朗読の声を取りたい」というイメージを持って演出をする中村は、俳優と雑談をしながら録音をすすめていくそう。

瀬尾は小坂仁さんの「こころの記憶 届けたいこの思い」、桃生はK.O.さんの「黙祷の時間」を印象に残った手記としてとりあげました。手記を書くことが、ある種の“節目”になるかもしれません。締切が差し迫る中ですが、ぜひ、これを機会に、えいやと執筆してみてください!


左から桃生、画面の向こうに高森さん、瀬尾、中村

ということで、今回盛りだくさんのため、「わたしのレコメンど!」はお休みで2時間お届けしました。
次回は1月23日、21時より放送します。
手記の応募の締切も迫ってまいりました。締切は1月22日。ぜひご応募お待ちしております。

ON AIR曲
■ Aki Onda「A Day Of Pilgrimage」
■ Nami Sato「Helios」
■ 七尾旅人「今夜、世界中のベニューで(Who’s singing)」

(執筆:中村大地)

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