Art Support Tohoku-Tokyo 2011→2020

特集10年目のわたしたち

あのとき あのまちの音楽
から いまここへ

いわき市にある福島県復興公営住宅・下神白(しもかじろ)団地を舞台に、住民のみなさんのまちの思い出と、その当時の馴染み深い音楽を番組にしてきた「ラジオ下神白」。その報告会であり、演奏会でもある「報奏会(ほうそうかい)」を、オンラインで開催。パーソナリティは、文化活動家のアサダワタル。ラジオ風のトークを軸に、記録映像上映、バンド演奏、住民さんとの中継コーナーなどを全3回でお届けします。

「ラジオ下神白 あのときあのまちの音楽からいまここへ」。この取り組みの舞台である下神白団地には、2011年の東京電力福島第一原子力発電所の事故により富岡町、大熊町、浪江町、双葉町から避難してきた方が、地域ごとの棟に分かれて暮らしています。2016年12月からはじまった「ラジオ下神白」では、定期的に住民さんのもとを訪れ、思い出の曲とともにある人生の語りを収録し、ラジオCDとして住民限定でリリースしてきました。

2019年には、住民さんの「メモリーソング」のバック演奏を行う「伴奏型支援バンド(BSB)」を結成しました。関東在住のミュージシャンが練習を重ね、住民さんのエピソードを踏まえながら団地内でコンサートを開催。現地から遠く離れているからこそ、音楽を通じた想像力を使って関係を深めています。そして2020年。コロナ禍によって団地訪問はオンラインへ。対面で「会えない」という状況だからこそできる「表現×支援」の関係を見つめながら、報奏会を行います。

オンライン報奏会2020はTokyo Art Research Lab 研究・開発の一環です。

アサダワタル

文化活動家
1979年大阪生まれ。これまでにない不思議なやり方で他者と関わることを「アート」と捉え、全国の市街地、福祉施設、学校、復興団地などで地域に根ざしたアートプロジェクトを展開。2009年、自宅を他者にゆるやかに開くムーブメント「住み開き」を提唱し話題に。以後、文化的なアプローチからコミュニティの理想のかたちを提案する著作を多数発表。アーティスト、文筆家、品川区立障害児者総合支援施設アートディレクター(愛成会所属)、東京大学大学院、京都精華大学非常勤講師、博士(学術)。著書に『住み開き増補版 』(ちくま文庫)、『想起の音楽』(水曜社)など。グループワークとして在籍していたサウンドプロジェクト「SjQ++」では、アルス・エレクトロニカ2013サウンドアート部門準グランプリ受賞。

鈴木詩織

一般社団法人Teco 地域復興コーディネーター
1991年福島県いわき市生まれ。2015年~2019年まで「NPO法人みんぷく」のコミュニティ交流員として復興公営住宅のコミュニティ支援に従事。2019年4月同じ志をもつ仲間と「一般社団法人Teco」を設立。復興公営住宅と地域間のコミュニティづくりや台風19号等被災地にてコミュニティ支援や地域の課題解決に向けた活動を行っている。

小森はるか

映像作家
1989年静岡県生まれ。東京藝術大学大学院美術研究科先端芸術表現専攻修了。映画美学校修了。東日本大震災後、ボランティアで東北を訪れたことをきっかけに瀬尾夏美(画家/作家)とアートユニットとして活動開始。2012年、岩手県陸前高田に移住し、人の暮らしや語り、その佇まいを映像で記録している。2015年、仙台に移居。一般社団法人NOOKの立ち上げに携わる。主な作品に『波のした、土のうえ』(2014年/瀬尾夏美と共同制作)、ドキュメンタリー映画『息の跡』(2016年)、『空に聞く』(2018年)がある。

パーソナリティ│アサダワタル(文化活動家)
現地レポーター│鈴木詩織(一般社団法人Teco)
記録映像│小森はるか(映像作家)
演奏│伴奏型支援バンド(BSB)
事務局│一般社団法人Teco

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