Art Support Tohoku-Tokyo 2011→2020

連載東北からの便り

10年目をきくラジオ モノノーク

第2回
2020年8月15日

話題
オープンニングトーク/世界の今日/10年目の手記/あなたの“立ち上がりの技術”教えてください/わたしのレコメンど!/エンディングトーク

オープニングトーク

8月15日、「10年目をきくラジオ モノノーク」の第2回が放送されました。
前回放送から2週間。変わらずにパーソナリティは瀬尾夏美と桃生和成。
東北リサーチとアートセンター(TRAC)からお届けします。

世間はお盆ですが、パーソナリティの二人は特に季節感なく、休みなく働いているご様子。今日はコンテンツが盛り沢山。どんどんコーナーへ参りましょう!

世界の今日

本日のゲストは台湾で古本屋を営みながら台湾視点で日本文化を紹介するマガジン『秋刀魚』をつくっている雑誌編集者の陳瀅羽(チンエイウ)さん。親しみを込めてみんなからは「なおさん」と呼ばれています。桃生がなおさんにはじめて会ったのは昨年、なおさんが東北で就職活動をしていた時でした。現在は台湾に戻っていますが、先月までは横浜で働かれていたそう。日本からはとてもうまくいっている印象がある台湾のコロナ対策、徹底した隔離措置の話など、とても興味深かったです。

被災地の田老に初めて行った際の言いようのない衝撃を引き合いに、「大自然に対抗するというのは大変だと思う。今回のコロナはまた少し違うけれど、大自然から人間へのメッセージのような気がしますよね。人間の暮らし方が変わっていかないとかなあと思う」という言葉が印象的でした。

なおさんとオンライン中継

10年目の手記

なんと、第1回目の締切には7通もの応募があった「10年目の手記」。どれも本当に胸を打つものばかりで、選考委員一同テンションがあがっておりました。「詩を書いていただいた方もいましたし、おばあさんの日記を織り交ぜているものなど、ほんとうに多様で、どれも胸を打つものでした。そして、大阪や茨城など日本各地の方からも応募があったのも印象的です」と瀬尾。特別に毎回1本のはずだった朗読も、今回は2本お届けすることになりました。

1本目は水戸在住で、震災との微妙な距離感を綴った水月浮太郎(くらげ・うきたろう)さんの「思い出すざわざわ」、2本目は沿岸部での震災当日の体験を事細かに書き記した海仙人さんの「あの日」。朗読はそれぞれ黒澤多生さん、原西忠佑さんに読んでいただきました。書いた言葉が声になることでまた違った味わいがありますね。それぞれの朗読の音声は「10年目の手記」のページでご覧いただけます。
引き続き、たくさんのご応募お待ちしております!

あなたの“立ち上がりの技術”教えて下さい

東日本大震災やその他の災禍が契機になり、それまでと違うことを始めた人たちのエピソードを取り上げて、その背景や、そこで得た技術や考え方が、いまの生活にどのように生きているかなどをきき、現在に応用可能な“立ち上がりの技術”を見出していきたい、というこのコーナー。放送日は8月15日、終戦記念日。桃生は戦争体験のある祖母から話を聞いたりすることが日常的にあるそうですが、本日は戦争体験の語り部、小野寺哲さんの立ち上がりの技術について紹介していきます。ゲストレポーターはNOOKのメンバーで、TRACで働いている佐竹真紀子さんが担当。

NOOKが出版した書籍『立ち上がりの技術01 語り野をゆけば/つくる手さぐる手かきわけて』や、TRACで2018年1月に行われた展覧会「語り野をゆけば」の際に収録されたインタビュー音声を聞きながら、昨年亡くなった小野寺さんとの思い出を懐かしみつつ、どのような思いで戦争体験を語りはじめ、そして語り続けてきたのかに触れていきます。

小野寺さんの語りの背景にはいくつかの軸があるのでは、と瀬尾。ひとつは戦地で亡くしてしまった、おいてきてしまった仲間たちを供養するということ、もうひとつはこの体験をどう受け入れて生きていけばよいのかを学び直すということ。それからどのように体験を語り継ぎ、今の社会を変えていくということ。「そういった側面は震災の語り手さんにも共通するところがあるかもしれませんね」と桃生。

最後は展覧会のイベントで60名のお客さんを前に語った音声の最後の部分を聞きましたが、「まずは謝罪から始めることが大事なんだ」という強い言葉や、ご自身の戦争体験だけでなく、残留孤児、朝鮮学校、あしなが育英会と、様々なマイノリティやその支援へ目を向けることについてもお話していたことが胸に残りました。

小野寺哲さんに話を伺う(2017年)

わたしのレコメンど!

本日最後のコーナー。みなさんの「レコメンど!」を募集しています。
今回はやまじさんの推薦で若月靖(おさむ)さんの「あ・り・が・と・うの歌」をお届けしました。不思議な調子でポロポロと鳴らされるギターと訥々とした歌声には「このコーナー、投稿するハードルがどんどんあがってますね!」というリスナーの方の声も。

どんなものでもいいので、皆さまからの応募お待ちしております。

ということで、次回は8月29日、21時よりお届けします。

ON AIR曲
■ ナビ「だいどころ」
■ yumbo「鬼火」

(執筆:中村大地)