Art Support Tohoku-Tokyo 2011→2020

連載東北からの便り

10年目をきくラジオ モノノーク

第4回
2020年9月12日

話題
オープンニングトーク/世界の今日/10年目の手記/あなたの“立ち上がりの技術”教えてください/わたしのレコメンど!/エンディングトーク

オープニングトーク

9月12日、「10年目をきくラジオ モノノーク」の第4回が放送されました。
前回放送から2週間。パーソナリティは瀬尾夏美と桃生和成。東北リサーチとアートセンター(TRAC)からお届けします。

本日は配信スタジオに初めて、進行台本などを手掛ける中村大地が合流。いつもと違った雰囲気に瀬尾が何故か最初から爆笑。和やかな空気で始まりました。ラジオやTV、新聞など、他媒体で取り上げられる機会も増えてきました。ありがとうございます!

世界の今日

本日のゲストは韓国・ソウルに暮らすパク・ドヨンさんにお話を伺いました。ドヨンさんは震災以降毎年欠かさずに宮城県仙台市の蒲生地区に通い、ドキュメンタリー映像を撮影しているだけでなく、インスタレーション作品の制作や、大工、ボディガードなど、様々な顔の持ち主。仙台には毎年冬に訪れていて、パーソナリティの2人とも親交が深いです。なんと放送中に通話がつながらないというトラブルがありながらも、なんとか始まりました(リハのときは問題なかったんですが!)。

韓国も前回お届けした香港と同じように、感染者数の増減に合わせて美術館や飲食店が営業時間を短くしたり、休館になったりしている様子。電車もマスクを着用しないと乗れないとのこと。「COVID-19という災難は、私たちがこれまで無知だったり、無視してきた自然の警告のように思います」というドヨンさんの言葉は、前々回に登場してくださった、台湾の陳瀅羽さんの言葉にも重なりますね。

はじめて被災地を見た時の、その破壊された町の匂いが痛烈に印象に残っているというドヨンさんは2011年からまだ3、4年しか時間が経っていないような気がするそう。「その土地に住んでいる人は変化をなかなか簡単には感じられないから、記録や作品の中から多様な視点や考え方を通して解いてみたい」ということでした。

今年はコロナの影響で仙台に行けないだろう、と残念がっていたドヨンさん。ありがとうございました!


パク・ドヨンさんとオンライン中継

10年前の手記

6月の募集以降、着々と応募が集まっている「10年目の手記」。第2回の締切には5通の応募がありました。ありがとうございます。その中から朗読でお届けしたのは柳澤マサさんの「こぼれていく時間を集めて」。うさぎストライプと青年団に所属する俳優の菊池佳南さんに朗読してもらいました。

震災後、道行く人に声をかけ、当時の状況を尋ねるというそれだけ切り取ってしまえば特異な行動も、手記を通じて読むと説得力があるように感じました。番組では併せて、1回目と2回目の締切まで応募してくださった方々の中から、一部ではありますが、印象的だった手記を紹介。応募する方の震災という出来事への距離感によって、本当に色々な見え方があるのだと実感します。引き続き応募をお待ちしております。次回締切は10月25日、あなたにとっての10年目、ぜひえいやっと書いてみてください!

あなたの“立ち上がりの技術”教えて下さい

今回は、NOOKの佐竹真紀子さんを迎えて、仙台市在住の木彫作家、松浦繁さんの「立ち上がりの技術」を紹介しました。19歳のときに脳内出血にあい、身体の自由がきかなくなった松浦さんは、その闘病とリハビリ生活の中で木彫をはじめ、現在は左手一本で制作を続けています。TRACでは『つくる手 さぐる手 かきわけて』という展示の際に作品をお借りし、その作品の背景をインタビューしました。今回はその際の松浦さんのお話をお届けしたり、YouTubeの画面に作品の画像を写したりしました。こういうやりかたはYouTube配信ならではですね。


YouTube画面に写した松浦さんの作品展示風景

「両手がもし利いていたら木彫はやめていたと思う」という松浦さんは、はじめに入念にスケッチをして制作をはじめるものの、掘り進めていくと思ったとおりにはいかず、木が“ポキン”と折れてしまうこともあるそう。そうしたアクシデントも活かしながら、作品に仕上げていくそうです。

ゆったりとユーモラスな松浦さんの言葉を聞きながら、「でもこうしたコロナの状況で、逆にこうしたしなやかさというのは求められている気がするので、松浦さんは今の状況をどう受け止めているんだろう」と桃生。今も作品を作り続けている松浦さん。また展示ができるような機会があれば、観てみたいですね。

わたしのレコメンど!

本日最後のコーナー。みなさんの「レコメンど!」を募集しています。
今回はラジオネーム、ポンコツのポンさんが、岩手県滝沢市にある、篠木神楽の獅子舞の鳴き声をレコメンド。民俗芸能の記録をしている阿部武司さんのFacebook投稿で偶然発見したとのことですが、不思議な「ピー、ピー」という音が確かにコロナもふっとばしそうですね。よかったらYouTubeの動画から、ご覧ください。

ということで、9月後半の週はお休みをいただき、次回は10月10日、21時よりお届けします。
手記の応募も引き続きお待ちしております!

ON AIR曲
■ ヤンヨンソク「go yoonsik go」
■ 友部正人「あの声を聴いて振り返る」
■ JANS「HIPHOP」

(執筆:中村大地)

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12月公開