話題
オープンニングトーク/世界の今日/10年目の手記/あなたの“立ち上がりの技術”教えてください/エンディングトーク
1月23日、「10年目をきくラジオ モノノーク」の第9回が放送されました。
年明け最初となる放送。パーソナリティは瀬尾夏美と桃生和成。東北リサーチとアートセンター(TRAC)からお届けします。
瀬尾は、阪神・淡路大震災の26年が経過した1月17日に受け取ったという、ヨシノマイさん「ひびとずれ」を紹介。1995年生まれの人々が語る阪神・淡路大震災の当事者性。東日本大震災のとき生まれた人とっては“先輩”とも言える語り。15年後、同じように東北で生まれた子どもたちの語りが聞けるのかもしれません。
本日は阪神・淡路大震災の際にボランティアに向かった長田地区でいち早くコミュニティFMを立ち上げ、また東日本大震災の際も沿岸部を回り、災害FMの設営に尽力した日比野純一さんにお話を伺いました。現在はインドネシアの火山のある地域の防災のため、コミュニティFMの運営にも携わっていらっしゃいます。
阪神・淡路大震災当時、多言語での災害情報の必要性がコミュニティFM(FMわぃわぃ)の立ち上げのきっかけとなったこと、コロナ禍においてインドネシアではコミュニティFMに携わる人々がラジオやSNSを通じてコロナに関する情報を届けたり、休校になってしまった学校の授業を配信する場所として機能を果たしていることなど、興味深いお話が多かったです。
日比野純一さんとオンライン中継
放送日前日の1月22日に応募が締め切られた「10年目の手記」。たくさんの方にご応募いただきまして、ありがとうございました。今回はH.Aさんの「空に聞く」を屋根裏ハイツの村岡佳奈さんが朗読。その他にも素晴らしい手記が集まりましたので、ぜひ10年目の手記のページからご覧いただければとおもいます。
コーナーの最後には嬉しいお知らせが! なんと、2月20日より水戸芸術館現代美術ギャラリーで開催予定の企画展「3.11とアーティスト:10年目の想像」展に「10年目の手記」が登場することになりました。会場では、「10年目の手記」ウェブサイトに掲載した手記を数本を展示するほか、会期中に会場内で手記の募集を行います。同展には小森はるか+瀬尾夏美や、「立ち上がりの技術」のコーナーに案内人として登場している佐竹真紀子も参加しているので、よろしければチェックしてください。
東日本大震災や、過去に別の災禍を経験した人たちのエピソードを取り上げて、その背景や、そこで得た技術や考え方がいまの生活にどのように生きているかなどを聞き、現在に応用可能な“立ち上がりの技術”を見出していく「あなたの“立ち上がりの技術”教えてください」。第8回目となる今回は小説家、劇作家、ブックカフェ・フルハウス店長の柳美里さんにお話を伺いました。
東日本大震災をきっかけに南相馬のコミュニティFMでラジオ番組のパーソナリティを務められ、600人近くの地元の方へお話を聞いてきた柳さん。「どんなにコミュニティの中で暮らしていても、自分自身は外の人間で、被災体験をした方々のことを理解することができない。だから、内側というより、窓のような存在だと思う」という言葉や、ラジオのタイトル「ふたりとひとり」の「と」にこめられた思いなど、印象深いインタビューとなりました。柳さん、ありがとうございました。
柳さんへのインタビューの様子
ということで今回も盛りだくさんのため、またまた「レコめんど!」をお休みして2時間お届けしました。
コミュニティFMわいわいの話からはじまり、「ふたりとひとり」でパーソナリティを務めていた柳さんのお話など、期せずしてラジオに貫かれた年始一発目の放送。いかがでしたでしょうか。
次回は2月13日、21時より放送します。
放送も残すことわずか3回。
3月の最終回はスペシャルな内容でお届けする予定です。
最後までどうぞお付き合いいただければ幸いです。
ON AIR曲
■ 加藤ひろあき「涙そうそう」
■ yumbo「失敗を抱きしめよう」
■ 長渕剛「福島県立小高産業技術高等学校 校歌」
(執筆:中村大地)