Art Support Tohoku-Tokyo 2011→2021

連載東北からの便り

10年目をきくラジオ モノノーク

第11回
2021年2月27日

話題
オープニングトーク/世界の今日/こどもだったわたしは/あなたの“立ち上がりの技術”教えてください/わたしのレコメンど!/エンディングトーク

オープニングトーク

2月27日、「10年目をきくラジオ モノノーク」の第11回が放送されました。
残り放送回は2回。パーソナリティは瀬尾夏美と桃生和成。東北リサーチとアートセンター(TRAC)からお届けします。

瀬尾が小森はるかと手掛けた映画『二重のまち/交代地のうたを編む』の公開日と重なっているため、今日は最初で最後の収録放送となりました。映画の方もぜひチェックしてくださいね。桃生は前回放送直後に起こった地震のあと、自宅に戻った際、おばあさんとのほっこりするエピソードを披露しました。

世界の今日

本日はスコットランド・グラスゴーに在住の振付家・ダンサーの小林あやさんにお話を伺いました。同じイギリス国内でも、イングランドと感染症対策の面で違いがあることなどは、国外から見ていると気が付かないことでした。2015、16年に滞在し、地元の方とコミュニティダンスを制作した岩手県の大船渡を「帰りたい場所」と言っていたのが印象的でした。


小林あやさんとオンラインでつなぐ

10年目の手記

1月22日にすべての応募が締め切られた「10年目の手記」。合計69通の手記を公開しました。たくさんのご応募ありがとうございました。今回はその中からコンノユウキさんの「この先通行止め」を紹介。朗読は藤家矢麻刀さんが担当。淡々と情景が浮かび上がってくる手記に耳を澄ませました。

あなたの“立ち上がりの技術”教えてください

東日本大震災や、過去に別の災禍を経験した人たちのエピソードを取り上げて、その背景や、そこで得た技術や考え方がいまの生活にどのように生きているかなどを聞き、現在に応用可能な“立ち上がりの技術”を見出していく「あなたの“立ち上がりの技術”教えてください」。今回は写真家の志賀理江子さんにお話を伺いました。

「10年というのはあまりつかめない感覚なので、なにも言えることはないけど、やっと震災というものを俯瞰して考えるようになってきたけれども、これは一生考え続けないといけないことだと思う。制作の中に落とし込んで満足してはいけない。バランスが大事だと思う」という志賀さんの言葉が印象的でした。

「震災の中で起きていた笑いやユーモアのことがずっと気になっていて、もう少しその切り口で見つけられることもあるんじゃないか」と、志賀さんの話から連想で思ったという桃生さんの話も興味深いですね。

わたしのレコメンど!

最後はこちらのコーナー。今日はラジオネーム余市さんから、組曲「杜の鼓動」より「第3楽章 街の灯(あかり)」をレコメンドしていただきました。音源は余市さんが所属していたマンドリン部の定期演奏会のものをお届けしました。

はじめての収録放送に加え、レギュラーコーナーがほとんど最終回を迎え、これまでの振り返りを交えつつおこなった放送。収録はいつもと違う雰囲気でしたが、アーカイブでもお楽しみいただければ幸いです。

ON AIR曲
■ 犬塚拓一郎「ダニー・ボーイ」
■ GAGLE「屍を越えて」
■ Koji Shibuya 「Lots of Birds」

(執筆:中村大地)

特集10年目の
わたしたち