しょうじこずえ
“震災からもうすぐ10年”
「10年」という節目の年だからか、ラジオやニュース、新聞等あちこちで「10年」を見聞きするようになりました。こうやってまた大きくスポットを当てて頂けることはとてもありがたいはずなのに、どうしてか、私の心はずっとムカムカとしています。
「10年……」「10年……」「10年……」この言葉を聞く度に、“静かにしてほしい”と私の心は小さく叫び、耳をふさぐような感覚でいました。なぜか、苦しくてしかたがなかったのです。
「10年」と聞くと、だいぶ月日が経ったように感じるかもしれませんが、私の中では未だに生々しい光景や空気、におい、寒さが皮膚にも心にもこびりついてしまっているような感覚があります。世の中の言う「10年」と私の「10年」にはあまりにも温度差があるような気がしてなりません。ひょっとしたらそこに違和感を感じてしまっているのかもしれません。
「10年」を受けとめきれない思いは、恐らく20年、30年となっても変わらないかもしれません。私はそう感じてしまう自分を、否定するつもりはありません。これからも、この温度差やムカムカさと向き合いながら生き続けていくしかないと思っています。
震災を機に生き方を見つめ直し、“表現者(アーティスト)”として生きることを選び現在も日々表現活動を行って生きています。
手記を書いた背景は、どこにぶつけたらよいか分からないモヤモヤムカムカを手記の中で書きつづりたいと思ったことと、震災時に亡くなったIちゃんのことを誰かに知ってほしいという思いでつづりました。
しょうじこずえ
震災を機に生き方を見つめ直し、“表現者(アーティスト)”として生きることを選び現在も日々表現活動を行って生きています。
手記を書いた背景は、どこにぶつけたらよいか分からないモヤモヤムカムカを手記の中で書きつづりたいと思ったことと、震災時に亡くなったIちゃんのことを誰かに知ってほしいという思いでつづりました。